サーキュラー・チャート(Circular Chart)は、時間の経過や周期性を円形に配置して表すチャートの総称です。
線・面・棒などの形式をとり、時間的データの「周期的なパターン」や「季節変動」「日内変化」などを可視化するのに適しています。
極座標系を利用するため、1日の24時間、1年の12か月といった「周期的に繰り返すデータ」を自然に表現できるのが特徴です。
チャートの見方
サーキュラー・チャートでは、アナログ時計のように円の外周を時間軸として使用します。たとえば12時の位置を起点とし、時計回りに時間が進行します。半径方向に値を示すことで、1周で1周期のデータを直感的に読み取れます。
図の左から順に、
- 折れ線で値をつなぐ「サーキュラー折れ線グラフ」
- 面の広がりで値を示す「サーキュラー面グラフ」
- 放射状に棒を配置する「サーキュラー棒グラフ」
と呼ばれます。いずれも中心からの距離(または棒の長さ)で量を表し、角度方向が時間スケールを意味します。
背景と活用例
この形式は「極座標(Polar Coordinate)」を基盤としており、線形グラフを円形に変換したものといえます。
季節や時間帯の繰り返し構造をもつデータの可視化に向いており、気温や日照時間、交通量、電力消費、睡眠時間などの周期的な変化を把握するのに有効です。
ビジネスダッシュボードや環境データの可視化では、Flourish Studio や Tableau などの可視化ツールでも「Circular bar chart」「Radial line chart」として利用可能です。
特に、データが一周で完結するように配置されるため、1周期の比較や時間帯ごとのピークを直感的に把握できます。
まとめ
サーキュラー・チャートは、時間や季節のような周期的なデータを「円」という形にマッピングすることで、
トレンドや繰り返しのパターンを視覚的に理解しやすくするチャートです。
棒・線・面などのバリエーションを使い分けることで、周期データの特徴を柔軟に表現できます。
参考・出典
- Data Visualization Catalogue – Radial Column Chart
- Data Visualization Catalogue – Radial Bar Chart
- Matplotlib – Bar chart on polar axis
- Matplotlib – Polar plot
- D3 (d3-shape) – Radial lines
- D3 (d3-shape) – Radial areas
- Observable – d3.lineRadial
- Data Viz Project – Radial Area Chart
- Data Viz Project – Radial Line Graph