サンキー・ダイアグラム（Sankey Diagram）

どんなチャート？

Mario Schmidt の調査によると、19世紀後半当時、新興工業国の技術者たちは、蒸気機関をさらに改良し、それぞれの用途に最適化するために、科学的手法を応用しようとしていました。蒸気機関の熱効率を分析するために、アイルランドのエンジニアRiall Sankeyによって、1898年に開発されました。

Eurostatではサンキー・ダイアグラムの意義をこう説明しています。

「サンキー・ダイアグラムは、エネルギーの収支を視覚的に表現するための非常に実用的なツールです。エネルギー収支は、経済のさまざまなセクター（供給、変換、消費など）におけるさまざまなエネルギー商品（燃料、熱、電力、すなわち市場性のある形でのエネルギーキャリア）の貢献度と相互関係をエネルギー単位でまとめたものです」
Energy flow diagrams – Eurostat

エネルギー収支でいう、エネルギー商品と経済活動という、インプットとその結果としてのアウトプットを説明し、かつ入出力が一対一対応していない大量の物事が関連している様を示しつつ、その仕組み（システム）を概観するのに向いているといえます。

ネットワーク・ダイアグラムの一種といえ、対象とする物事（エネルギーや経済活動など）をノードとし、その間の流量をリンクとして線の幅やときには色も用いて示します。

明示的に時間軸を伴う流れを説明するチャートは別のチャート、Alluvial Diagramsを用います。サンキー・ダイアグラムは、インプットとその結果としてのアウトプットを説明しながらも、時間の情報は持ちません。有向グラフ的であり、矢印が一方向のみに向いていることのみを示します。

時間が経つにつれて、熱バランス、エネルギー、マテリアルの流れの可視化に用いられ、1990年代以降はライフサイクルアセスメント（LCA）における「代謝」の複雑さを示すためにサンキー・ダイアグラムを頻繁に使用していると、 Mario Schmidt はレポートしています。

近年では「インプットとその結果としてのアウトプット」を説明するチャートの特性を活かし、集めた税金とその使いみちに使われる事例がたくさんあります。