オープンデータ、ビッグデータというキーワードがここ数年普及してきており、活用する機運が高まっています。本格的なデータ分析までは必要ないもののデータを活用したい、という需要があるが、何をどう学んだらいいかわからない、という声をよく聞きます。
これに答えるものとして、統計学を学ぶことが必須とされていますが、実は統計学が前提としている「確証的データ分析」に対して「探索的データ分析」という考え方があります。統計学によるデータ分析の結果が出てから初めて可視化を考えるのではなく、まずはデータを可視化してみるところから探索的にデータの活用の仕方や分析を考えるというアプローチです。課題が何かはっきりしていれば、それに即した統計学の手法を用いればよいですが、そもそも何が問題かがわからない段階では手段を選択することができません。「確証的データ分析」のみを前提としていると、そこで行き止まってしまいます。
コンピュータが大衆化し、大学のスーパーコンピュータだけではなく、一般的に手に入るコンピュータで充分可視化が行えることや、データが多種大量に存在しているにもかかわらず、可視化すらされず放置されているものが膨大に存在しているという現状があります。
これらの状況を踏まえて、問いの立て方から、データの扱い、可視化、プレゼンテーション、評価までを、実務・原理原則の両方を踏まえながら学ぶことができ、何をどう学んだらいいかという需要に答えることのできる講習が必要だと考えております。
AI時代においても、コンピュータに自動的に判断させないもの、人間が最後に意思決定をするものは、動的なユーザーインターフェイスになるはずです。また、人は自分が手を動かして意思決定したものにより納得するIKEA効果が知られています。データビジュアライゼーションのトレーニングはそこでも活かされると考えています。