Uber h3

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Uberが、地理空間上のビッグデータを効率よく扱うためのフレームワークであるh3を公開しています。こちらをご紹介します。

彼ら自身の課題を解決する目的から生まれています。というのも、提供するサービスにおいて、毎日何百万ものイベントが発生しており、これらを利用して、マーケットプレイス全体の分析と最適化するために活用したい、と。たとえば、需要と供給の関係によって、ダイナミックに価格を変更したりといったことです。

データから情報や洞察を導き出すには、都市全体のデータを分析する必要があります。そのために地理空間のインデックス(グリッドシステム)が必要ですが、緯度経度で管理するのは計算コストが高すぎる。

そのためのグリッドシステムとしてH3を開発しました。h3は、六角形を単位とし、さらに階層構造を持っています。地表を六角形のグリッドで覆ってしまうことで、

  • 計算量を削減する
  • 六角形であれば、接するグリッドとの距離が均等。三角形や四角形ではそうはいかない。
  • グリッドセルをクラスタリングすることで、近隣地域を効率的に表現することができる。別なクラスタリング方法、たとえば郵便番号では行政の都合である時突然変更してしまうが、そのようなこともない。
  • 紙の地図でいうところの縮尺、グーグルマップでいうところのズームレベルも、六角形で表現できる。
六角形であれば、接するグリッドとの距離が均等。三角形でも四角形でもそうはいかない。
紙の地図でいうところの縮尺、グーグルマップでいうところのズームレベルも、六角形で表現。

グローバルグリッドシステムには、通常、地図投影と地図の上に敷き詰められたグリッドの2つが必要です。グリッドはすでに説明した六角形で、地図投影にはメルカトルなどの歪みがある地図投影法ではなく、正二十面体の面を中心とした心射方位図法を採用しています。

正二十面体の面を中心とした心射方位図法を採用。

C言語だけでなく、Python、Goなど様々な言語版も開発され、すべてオープンソースで公開されています。